がはは 懐古趣味のお年頃♪


育った田舎が温泉地だったから銭湯じゃなく共浴場が在った

今でこそ各家庭に浴室は珍しくも無いけど子供の頃は自分ちに風呂持ってるお宅なんてのは滅多に無かった

町中の人が利用してたと言っても過言じゃ無い

尤も 私んちの家業で旅館の仕事も多くしていたから時々は旅館の大浴場にも入れて貰っていたが♪


共浴場は子供の頃は建物が入母屋作り瓦葺の木造だった

天井や壁が何で作って有ったのか思い出せない 床と浴槽は確かタイルだったと記憶有るのだが定かでない

お湯は勿論温泉だ 浴槽も随分大きく20人位の人が同時に入れた 

塩分が混じっていて石鹸が効かない 別に井戸水を沸かしてお湯にしそれで体洗って居たように思う

アハハ 未だ水道が敷設されていなかった


其の共浴場は一種の町民の社交場でもあり我々子供達が遊びの感覚で利用したりもした

私なんか泳いだり潜ったりじゃんけんのゲームをしたり体流しあいしたり大声で歌ったりしたものだ

休日に朝風呂なんかへ行くと浴槽の中で浪花節を唸っているおじさんが必ずと言って良いほど居たもんだ

昔は浪曲上手い人が彼方此方にいたしそれを自慢したい人も多くいらっしゃったのだ

上手な人の浪曲を洗い場やお風呂に浸かりながら最後まで聞いて終われば大拍手だったのだ

私なんかも浪曲を何度風呂で聞いたか判らない位だ

広沢虎造って人が有名でその人の物を語る自称田舎名人が居られた

清水次郎長の物語なんか連続物だったからその人が風呂に入りに来るまで待っていたほどだった


今でこそ銭湯やスーパー銭湯行ったって誰も歌さえ歌わないし

どんなに上手でもそんな人が居れば周りから煩いと怒鳴られるのが落ちだろうけど 当時は誰もそんな事は言わなかった

小さな町だし住民の殆どが顔見知り 情報交換の場所であり親睦を深める場所だった

娯楽の少ない時代だったから浴場が素人演芸の娯楽場の一面も兼ね備えていたのだ

我々の年代は田舎であれ都会であれそんな雰囲気で育って来た

今の子供そんな事も知らずに育って居るのは可哀相な気がする位だ


連休になって各地の観光地や温泉に行く高齢の方も多い事だろう

何処かの田舎町の共浴場や温泉旅館の大浴場で浪曲が聞けたり漫談でも喋る人が居たりしたらきっと愉しいだろ♪

風呂の中にカラオケ設備あって入浴者が大合唱で歌歌うってのも良いだろうな☆

アハハ そんな所在ったら是非行ってみたい物だ

なんかそこだけ時間がゆっくり流れる そんな気がする 

そんなことに郷愁を感じる年なんだろうけど私なんかだと余りの楽しさに長湯湯当たりして口から泡吹きひっくり返って居るかも知れない★