木村家門外不出の『呑舟之魚』伝説★

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ではでは昨日予告した加賀の国は片山津温泉に密かに伝えられる(と言っても当家だけですが★)柴山潟の呑舟之魚の伝説を♪
先ず予備知識として簡単に状況説明を☆片山津温泉近辺には私が子供の折 柴山潟・今江潟・木場潟と言う湖が有りました
潟と言うのですからその昔は海だったのでしょう 何かの拍子で堰き止められ湖に成ったのですかねぇ?因みに加賀三湖と言っていました
この柴山潟と言う湖には福井県勝山市加賀市小松市に跨る大日山(1368m)の山麓が源流の動橋川(いぶりばしがわ)が流れ込んでいます
柴山潟と今江潟は確か続いて居てその水は今江潟から海に流れていたのじゃ無いかと? 良く覚えていません ゴメン!
私が中学生の頃 今江潟と柴山潟は干拓工事で姿を変え今江潟は埋め立てられ農地に成りました 柴山潟も半分位の大きさに成りました
新たに柴山潟から新堀川と言う放水路が海まで取り付けられたのです 
余談ですがその新堀川近くで私メの幼馴染達が民宿『白嶺』やプチホテル『フェルテシモ』をやっています
リーズナブルで温かい持て成しで有名です トニーから聞いたと言えば多分悪くはしないでしょ♪良くもしないでしょうけど★是非ご利用を♪


さてこの動橋川に呑舟の魚 グズと言う巨大魚が居たと言う伝説が有るのです
このグズってのはハゼを肥満体にした様な魚です 子供の頃小川で網で掬った事有りますが今では余り聞きません 動橋川ではもう居ないかも★
この伝説の巨大魚は子供を飲み込んだり田畑を荒らしたりで地元民は若い娘さんを人身御供にして難を逃れていたと言うのです
動橋町には今も退治されたグズを記念して巨大な張りぼてのグズを引き回す『グズ焼き祭』ってのが有ります 今年も多分? 
隣町なのに一度も見た事有りません 8/27に行われるそうです 死ぬまでに一度は見て置かないと何て思って居りますが♪



ハイ 是が我が家に伝わる伝説の元の話です 
親父が荒唐無稽な話を私の為にでっちあげ話して呉れた 言うのも恥しい門外不出の物なのです◎ 早速始めましょう☆
動橋にこの悪もんグズが居た頃 柴山潟に是も巨大な鯉が居たのです こっちはイイもんの心優しい呑舟の魚です
片山津はその頃 すなはせと呼ばれた辺鄙な町 温泉は徳川時代に発見されていますが本格的開発は明治以後です
柴山潟に温泉が湧き出ていたのです(これは事実で私も子供の折 動橋川河口付近の柴山潟どよの外という場所で入浴した事があります)
その源泉へ地元の絶世の美女おときさんが毎日の様に湯浴みに行っていたのです(何故かこの女性の名前が私のお袋の名前です)
そのおときさんの妖艶なる美しさに柴山潟のヌシの鯉が濃い恋心を抱いてしまったのです
夕方 おときさんが湯浴みする頃 ヌシの鯉が密かに近づいてしげしげと豊満な裸体を眺めていたのです
最初は眺めるだけだったのですがもう辛抱堪りません★或る日 そのおときさんにそっと触れたのです


ビックリしたのはおときさん!何と言っても呑舟の魚と呼ばれる巨大な怪魚です 飲み込まれるかと恐れ身を堅くし震えていました
でも恋する鯉は只優しく撫でる様にタッチするだけ♪おときさんも其れを察して安堵です☆
見た事も無いような巨大魚がまるで子犬がじゃれるようにおときさんの周りを回るのですから面白いと言えば面白いです
次の日もその次の日もおときさんが湯浴みすると待ってましたとばかりにヌシが現れる訳です
そしておときさんのお尻や乳房を嘗め回しカミカミするのです その気持ちのイイ事夢うつつです☆
(アッ 親父の話にはこんなシーンは出て来ません 子供にする話じゃ有りません 私が後年そうだったら面白いと勝手に付け加えました ゴメン)
やがて恋する鯉におときさんも惚れ込んじゃって相思相愛です☆所が或る日 悪もんグズがこの様子を目撃です


悪もんグズもこのおときさんにぞっこん!ぐずぐずしていれば完全に鯉の女に成ってしまうかと焦ってしまいました
『こっちへ来い』とおときさんに言って見ても何せ鯉はハンサムで風格も有りますがグズはオコゼの様なブス顔ですしね★
グズの執拗な横恋慕に遂に鯉の堪忍袋も切れ女を巡る決闘までに成ってしまいました
其れは大激戦でした◎この辺りの描写は其れは私メドキドキわくわくする講談調の大活劇でした 何せ内の親父は立川文庫愛読者ですね
俊敏さで勝る鯉が愚図な泳ぎのグズをコテンパンに痛め付け咥えて岡へ放り投げてしまったのです
岡場所へ身を置かれては女性でもグズでも身動き取れないのは世の習い 哀れグズは息する事も出来ずグズって仕舞う有様 勝負有ったです♪
丁度其処へ通りかかったのが動橋のお百姓さん その瀕死のグズを持ち帰り焼いて食べた♪ 又このグズってのが大層美味なんです☆
ですから 動橋町のグズ焼き祭の真相はこっちなんだぁ〜〜!ってのが親父が私に伝えたグズ焼き祭の起源いや危言です◎


その後 おときさんと鯉は夫婦に成り其れは美形の男の子が誕生です おときさんは綺麗 鯉は品が有りますしね♪
出来た子供其れは出来た子に成りました 私から聞いたと言って貰っては困りますが初代尾上鯉三郎って歌舞伎役者はその子供です
内の親父がそう申して居りました♪信じる信じないは貴方の自由です 私の知ったこっちゃ有りません!
さてその後も鯉はおときさんを大事にしおときさんもヌシさん〜〜何て呼んで末永く暮らしましたとさ めでたしめでたし!


後日談が有るのです♪年に1〜2度柴山潟が霧に覆われて湖面が見難い時が有ります でもよく目を凝らして見ると
鯉の背中にしっかと抱きついたおときさんが其れは幸せそうに湖面を移動しているのが見られるかも? 多分ババァに成っているでしょうが★
もし観光で片山津温泉へ行かれた人が幸運にしてその光景を見るか写真撮影されたら是非とも片山津温泉観光協会へご一報下さい!
町興しに必死に成っている観光協会の人の温かい感謝の言葉とお礼の宿泊を提供してくれる事でしょう 鉄格子のある病院かも知れませんが◎
間違っても私から聞いたなんて事は言わないで下さい!片山津からご丁寧に救急車を手配して下さるかも♪そんな手厚い心遣いは困っちゃいます ねぇ☆