イヨッ苦労人ッ♪


ナンシー関の消しゴム版画が目に付いて一冊の本を借りてきた
島田洋七の『文句あっか!!』という自伝風エッセイだ
島田洋七と言っても知らない人も多いかもしれない 
第一次漫才ブームB&Bのでぶっちょの人と言えば思い出すかもしれない
広島のもみじ饅頭を一躍メジャーにしたほどの売れっ子だった


私も何度もその漫才を見た事がある
私自身はその後出て来たツービートの笑いが新鮮で好きだったが
その彼が北野たけしと親友の付合いだとは知らなかった
サブタイトルにオレとたけしの人生一笑一杯とある
この本は彼がブームも去り売れなくなって仕事も無くなり書いた本じゃ無いかと想う


何気なく読んだのだけどいや〜感心しちゃった
奥さんと一緒に成った時の事 漫才師に成ろうと決意した時の事 東京へ新天地を求めて出掛けた事
たけしとの出会い 売れ出した時の事 絶頂期の事 あっという間のブームが去り所謂落ち目に成った時の事
それらのエピソードがまるで漫才の話し方のようなスピードで語られているのだ
自分で書いたのかゴーストライターが居たのか知らない 売れなく成ってから書いた本だから自分で書いたのだろ
難しい言葉も文章も無い でも込上げて来るような感動がある 本にパワーが有るのだ


結びに何時までも変わらぬ友情を示してくれたたけしへの感謝と
ずっと支えてくれた奥さんへの愛情に思わずホロッと来る読ませる筆力が有るのだ
本は1992年発行だから今から15年も前だ
吉本に戻り以前のコンビと漫才を始めたのは何時の頃か忘れたけどまだ当分冷や飯を食っていたのだろう
この後に佐賀のお婆ちゃんの事を書いた本が売れ出したのじゃ無いかな?
今では漫才師と言うより作家として各地へ講演して廻っていると聴く


この本で彼も言ってるが仕事で復活して見せるという決意が今の彼を作って居るのじゃ無いかと想うのだ
その仕事に対する執念の欠如の私 彼に教えられる事多々有る
得難い友人と奥さんを持った事も彼には恵まれていたのかも知れない 
タレント本では黒柳徹子さんの本を馬鹿にしていて何年も読んだ事が無かった 間違いだった★
高倉健さんの童話みたいなエッセイにまた健さんを惚れ直した
今度は只ならぬ気配の洋七の『佐賀のガイばーちゃん』読んで見ようと想っている 侮れない!